木野愛宕神社の祭礼については毎年、10月23日午後8時から催される。
夜の祭りで、境内に御神灯の提灯が並べられ、祭壇には、燈明がささげられる雅な風景となる。祭礼は、五穀豊穣・地域の平安を願って神主による祝詞奏上、茂山社中による舞・神謡を奉納する。神事に出る氏子は裃に手提げの家紋の入った提灯をもって神社に入る。午後7時に氏子は集合して神饌の準備をする。裃を着た神事に出る氏子が半紙と紙縒りで神饌に息がかからないようにして、一列に並んで神前にお供えする38のお膳を運ぶ。(献撰)
さらに燈明を神饌の前に置き、神事の準備が整うのである。その後、使者が神官と茂山社中を迎えに行き、氏子は手持ちの提灯を前に置き、正座して神官・茂山社中を待つ。
全員がそろったところで氏子総代の進行で神事は行われる。一般の参拝者は、神前に参拝してからかがり火のそばで暖を取りながら神事を見守る。神事の後、「袴上げ」「袴着」と呼ばれる烏帽子儀が催される。数え年で16歳の少年の成人式が行われる。