木野かわらけ保存会

令和2年度 木野かわらけ親子教室の一年

目 的

 木野地域の伝統工芸(かわらけづくり)が主目的分野であるが、木野かわらけの歴史を学び伝統文化を守り続ける親子の育成。木野愛宕神社の祭礼に教室で作成したかわらけを奉納し、みんなで各自の作品の成果を分かち合う。

由来、歴史(何時頃から行われているのか)

 地域の先祖は、嵯峨野野宮神社・愛宕神社の神官であり、祭祀の供え物の器(かわらけ)を制作し、供物を載せて祭祀を行った。歴史的には嵯峨天皇の時代から始められ、岩倉の地に移住してからも制作され、昭和30年ころまで神官以外の生業としてかわらけは製造されていた。

実施した事業の概要

 木野地域に伝わる伝統工芸の「木野かわらけづくり」の伝統を守り、学びや体験を通じて地域に誇りを持てる子どもの育成を目指した。保護者や地域の人々と一緒に学んだ。この伝統文化を伝える人々がいなくなってからの事業なので、保護者と保存会会員が子どもの指導前に専門家や学者の書いた論文を頼りに試行錯誤しながらの事前準備をして、子どもたちに体験学習をさせた。新型コロナの影響で子どもたち相互の学びは少なかったが、木野かわらけづくりの楽しさや難しさを学べた。子どもたちの感想には、「粘土を手で触ると気持ちがいい。」「どうして薄くできないのかなあ。」「焼き上がりがたのしみ。」などの感想があった。また、焼成後の発表会では、「今度はもっと薄くつくります。」など子どもたちの体験からの感想が多くみられた。

行事への参加または親へのお披露目

 新型コロナの影響で地域活動がほとんど中止になる中、本活動の取組みで保護者のフォローがあり、親子・地域の結びつきが強くなり、地域の歴史・伝統に対する理解が深まってきた。子どもの参加が、大人の参加に大きな影響を与えた。作品の発表会から「木野かわらけ」の伝統文化が守られるかもしれないとの地域の人々にも期待が出てきた。

子供たちのアンケートで「伝統文化等に興味・関心をもつ」が全体の80%以上となった

 新型コロナの影響で参加の仕方に変則的なことがあった。保護者のフォローがあり、活動ができた。活動の中で子どもたちは、簡単にできると思っていた「木野かわらけづくり」が難しいことを知って、様々な子供なりの課題が持てるようになった。土を触る感触がとてもよかった。できた土器に感激していた。子どもたちは、来年も続けてほしいとの声が沢山出た。

一連の流れが理解できる日程の実施

 新型コロナの影響で日程の変更を余儀なくしなければならなかった。変更時には常に文書を個人配布して保護者のフォローを得た。親子での体験活動で伝統文化の難しさと活動意欲が出て、各自の課題を見いだせることができた。

親子の体験活動を通しての感想で「子どもが興味を持ち、意欲的になった。」と報告を受けた。

 新型コロナの影響で保護者のフォローが欠かせなかったが、親子での体験活動に意義があったように保護者からの感想を受けた。また、「木野かわらけ」についての話題も家庭で出るようになってきた。子どもに連れられて参加することもあった。

行事への参加または地域住民へのお披露目

 新型コロナの影響で地域行事のほとんどが活動中止の中、「木野かわらけ親子教室」の実施は、子どもたちの楽しみになっていた。発表会は、多くの地域の人たちと年間の努力を喜び合った。発表後、地域の人に挨拶ができるようになってきた。

地域連携により地域の歴史・種類・作成技術の研修・研究をする。

 地域の大学(京都精華大学)・地元陶芸家、木野民芸博物館との連携と地域住民のかわらけ・道具の寄付により、木野の歴史、かわらけの種類、製法技法を研究し、木野町公民館に様々な種類の木野かわらけや道具を展示し、専門家の指導や多くの文献をもとに研修ができた。また、課題も多々見つかった。

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